第1137話 02.03.2026「ミモザ」

三月になると、冬の寒さが和らぎ、木々は一斉に春の兆しを見せ始めます。
その中でも、ミモザは早春を象徴する木の一つとして知られています。
この時期、日本でも庭木や街路樹として植えられたミモザが開花します。
ミモザは比較的成長が早く、適した環境では数年で大きくなる木です。
原産地はオーストラリアで、温暖で日当たりのよい場所を好む性質があります。
耐寒性はある程度ありますが、強い霜や長期間の低温には弱い面もあります。
葉は細かく分かれた羽状複葉で、やわらかい印象を与える形をしています。
この葉の形は風の抵抗を受けにくくする役割もあるそうです。
また、花が咲く時期には甘い香りを放つことでも知られています。
ちなみに今月、3月8日は国際女性デーです。
この日は女性の権利や社会的地位について考える日であり、1900年代初頭の労働運動が背景にあるとされています。
国や地域によっては祝日になるそうです。
「ミモザの日」と呼ばれ、ヨーロッパでは春の象徴とされているミモザの花を贈る習慣に由来しています。
日本でも国際女性デーが徐々に広まりつつあります。
テレビ番組で国際女性デーについての話をするときに、背景にミモザがそっと映されていたりします。
三月のミモザは、まだ葉が十分に茂る前に花を咲かせることが多いです。
そのため、黄色い花がより一層目立ち、春の訪れを強く感じさせてくれる存在といえるでしょう。(文:ドサンコ)

第1136話 24.02.2026「リニアモーターカーとブナ」

先日テレビで、「神様の木に会う巨樹の旅」という番組を見ました。
長野県・大鹿村で窮地に追い込まれている巨樹として樹齢300年のブナの木を紹介していました。
その巨樹は山の中腹にあり、周りをたくさんの木々で囲まれたひときわ目立つ存在。
ブナは急斜面にへばりつくように根をおろしており、樹齢は優に300年を越しており、幹周は4.3メートル、成人男性が3人掛かりで手をいっぱいに広げてやっと届く程のブナとしてはかなりの巨樹です。
この時、大鹿村では、リニア中央新幹線の建設工事が行なわれており、それによってこの巨樹に伐採の危機が訪れているといいます。
この巨樹の10メートル離れた場所にもう一本、同じようなブナの巨樹があり、この木も伐採の対象となっているのだとか。
理由はリニアの送電線の鉄塔を建てる為にこの辺りの木々を伐採するのだそうです。
そのブナを伐採されたくない、と守ろうとする地元の若者たちがいました。
その若者は、ブナの巨樹を伐採しなくても周りの木々達を伐採してしまえば、友達を失った時の人間と同じで、ブナもきっと命を失ってしまうだろう、と心配していました。
2本のブナの木を切らないで欲しい、と送電線の鉄塔を計画している電力会社に訴え、署名活動をしていましたが、数カ月後、2本のブナの周辺に異変が起きているという知らせが入り、現地に向かうと2本のブナの巨樹のみを残し、周りの木々は約1000平方メートル(テニスコート5面分)根こそぎすべて伐採されてしまっていました。
若者の希望通りにブナ2本は伐採されませんでしたが、それは果たして正しかったのか?自分だけのエゴだったのじゃないか?という思いだけが残りました。
リニア中央新幹線といえば東京・品川から愛知・名古屋を通って大阪を終点とする新幹線で、大井川の水が枯れる?とか、南アルプスの生態系への影響やトンネルを掘った土砂処理など、建設が及ぼす環境破壊への懸念が山積み。
いつ開業するんだ?と聞くと多くの人が「いつになるかはわからない」と言われています。
開業したら品川駅と名古屋駅との間は最短40分で結ばれるわけで、現在、東海道新幹線では日中時間帯の「のぞみ」が同じ区間を1時間30分前後で結んでいるから50分ほどの短縮、つまり現在のほぼ半分程度の時間で到達可能となるのだとか…。
一般市民の私からすると、「たった50分の短縮」の実現で、ほとんどトンネル内を走っていて景色を楽しむ列車旅の醍醐味が感じられない旅をどこの誰が好き好んで選ぶのだろうか?メリットあんの?誰トク?って思ってしまいます。
それこそ、丸裸の山中に残された2本のブナの巨樹や周りの伐採された樹木、それらを守っていこうとした地元の人々、全てが被害者なんじゃない?と感じます。
番組最後に若者の母親が「人間は自然の一部であり、傲慢であってはならない。自然に対して謙虚になるべき」と語った言葉が、とても強く印象に残りました。(文:まるこんぶ)

第1135話 16.02.2026「ウッドデザイン賞」

突然ですがウッドデザイン賞という賞をご存じですか?
グッドデザイン賞は耳にした事はあると思いますが、ウッドデザイン賞はまだまだメジャーな感じはないですね?
私は勉強不足で、つい最近テレビのクイズ番組でこの賞の存在を知りました。
このウッドデザイン賞とは木を使って様々な社会課題を解決する事を目指す活動です。
木を活かして新たな時代の価値をデザインする事を目的にしています。
優れたデザインの建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価して表彰する顕彰制度のことです。
2025年の建築・空間分野の最優秀賞(農林水産大臣賞)には、大阪万博での大屋根リングが選ばれました。
世界最大の木造建築物としてギネスに認定されたので当然の受賞ですね。
私は実際に見られなかったことが悔やまれます。
その他にも最優秀賞(経済産業大臣賞)にはヤマト本社ビルが選出されていて、写真でしか見られませんがこちらも魅力的に木が使われています。
こちらは是非見学に訪れてみたいですね。
それから優秀賞のプロダクツ分野では、ヒノキの草木染箸が選ばれていてこちらも使ってみたいと思います。
他の優秀作品たちも見事に木を使っていて木の良さを発信していました。
我が社では昨年に工作室が完成しています。
今後この工作室からウッドデザイン賞に選出されるようなプロダクツが完成するようになれば良いなあ、なんて考えている今日この頃です。(文:ゴン)

第1134話 09.02.2026「オクシズ材ってナニ?」

今回も前回に引き続き静岡からのお話です。
木造の掛川駅から在来線に乗り、静岡駅までやってきました。
新幹線ではあまり感じないのですが、在来線に乗るとその土地の人達が多く乗っていて、その場所の風土や人となりなどが感じられていいですよね。
なんとなく心が安らぐ気がします。
なので、地方へ行ったときはなるべく在来線に乗るよう心掛けております。(笑)
で、静岡駅です。
静岡へは東京から200キロほどですが、20~30年前はこのエリアの担当でしたので、私もトラックでちょくちょく配達や営業に行っておりました。
まだその当時は第2東名がなく、帰りはいつも渋滞にハマってしんどかった記憶があります。
ですが、駅には行ったことなく、今回ほぼ初めて駅に降り立ったことになります。
デカイ駅ビル(アスティ静岡様)の中で、お土産や帰りの新幹線内で呑むビールのうまそうなつまみがないかなぁ~とウロウロしていた時のことです。
1階のはじっこのほうに喫煙室を発見、数時間吸ってなかったので早速入室。
「フー」と気持ちよく水蒸気を吐き出していたときです。
なんとその室内が木だらけだったのです。
床には木製のイス、壁には切子細工の美しいパネルがいくつか飾られておりました。
そのハジに「オクシズ材」という表記がありまして、「ん?なんだそりゃ?そんな材ってあったか?聞いたことないな~」でもキレイだったので、パチリと撮影してきました。
帰ってから調べてみると、静岡の奥地のほうにあるスギやヒノキなどを、「オクシズ材」と銘打って、静岡木材業協同組合様がPRしているということがわかりました。
静岡市は面積の76%が森林で、今そこで育ったスギやヒノキが伐採期を迎えているそうです。
間伐した材を有効利用していくため、静岡市と地元の木工関連の業者様の協力のもと、いろいろなところでPRしているそうです。
あちこちで喫煙室や喫煙所を利用させていただいておりますが、こんなに安らぐ雰囲気は記憶にありません。
吸い終わってもしばらく眺めておりました。
ただ、静岡の木材を使ってください!というより、こういうネーミングをつけてアピールしていくというのはいいですよね。
東京でいえば、「オクタマ材」となるのでしょうか。
大変勉強になりました。
あ、ちなみにそのあとつまみに「静岡おでん」を買いました。
とってもおいしくいただきましたぁ。(文:正さん)

第1133話 02.02.2026「ラオス木材事情」

1990年前後、私はバックパッカーでした。
東南アジアや中東やアフリカを旅していました。
あれから35年間が経ち、今では材木屋の社長になり、家族ができ、もう自分はかつてのような一人旅はできないだろうな…と思っていました。
ところがタイミングが合い、年末年始の9日間、一人で旅に行くことになりました。
場所はラオス。
アジアの中でまだ行ったことのない国だったので、ラオスを選択しました。
航空券だけ買い、ホテルの予約はせず、その他の予定は一切決めない私が昔に旅をしていたスタイルで…。
しかも私のミスで携帯がネットにつながらない状況に…。
まさに昔の旅の状況を再現できたわけです。
いや、現在はスマホでマップを見る時代なので紙のフリーマップが現地で手に入らず、当時より旅がしにくくなってしまいました。
たった一人の状況は自ら作り、さらにデジタルデトックスもできちゃったわけです。
不安でドキドキの連続でした。
でも、一日一日過ぎていくうちにどんどん国や町の全体像が分かってきて、楽しくなっていきました。
旅は生活を単純化していきます。
布団で寝られることだけで感謝できるし、夕日を見られるだけで感動します。
マルチタスクは必要なく、目の前のことのみが重要になります。
複雑化した生活が、9日間で少し整理されたような旅になりました。

追記:ラオスの木材事情が気になり、材木屋や建築資材屋を覗いては品質や値段をチェックしてきました。
写真はラオスの材木屋さんですが、言葉が通じず店員さんとの会話は盛り上がりませんでした…。(文:木材バカ四代)

第1132話 26.01.2026「花粉症」

お正月も終わり、1月も終わりになってきて、たまに南風が吹き気温が高くなると、やってくるのが目のかゆみと止まらない鼻水…。
そうです、杉花粉の症状です。
私は佐久間木材に入社する前から花粉症です。
もうかれこれ25年以上はこの症状に付き合っています(涙)。
2020年のデータですが、日本人の39パーセントが花粉症だとか…。
いまの時期の耳鼻科は大混雑です。
花粉症という私の大きな悩みは日本特有のものではなく、世界各国に「ご当地花粉症」が存在します。
世界3大花粉症と呼ばれるものまで存在しています。
まずは日本の「スギ」。
戦後の復興期に大量植林された杉が、数十年経って一斉に花粉を出し始めたのは有名な話ですね。
そして北米で猛威を振るうのが「ブタクサ」。
3つ目はヨーロッパの「イネ」。
興味深いのは、この3つの花粉症はシーズンがすべて違う時期ということ。
スギは冬から春、北米のブタクサは夏の終わりから秋、イネは春から夏まで。
日本にいて一年中花粉症だという方もいらっしゃいます。
(可哀そうですね…)
花粉症対策で、それぞれのお国柄がでるのも興味深いところです。
日本はマスクや花粉用メガネという物理的防御が一般的ですが、欧米ではこれらを使う人は少なく、点鼻薬や抗ヒスタミン剤という薬物療法が一般的だとか…。
(私はマスクも薬も両方必要です…)
日本以外でも昔はそれほど問題になっていなかった花粉症。
気候変動による植物分布の変化や大気汚染などが原因かもしれません。
あぁ、マスクを着けずに春の日を健やかに過ごしてみたい…。
「木材関係の仕事だから花粉症大変だねー」とよく知人に心配されますが、木材に花粉が付着しているわけではないので関係ないですよ、安心してください。(笑)(文:くりすけ)

第1131話 19.01.2026「運慶展」

昨年開催された運慶展に行ってきました。
運慶の作品は力強さや躍動感が感じられ、とても好きです。
一番有名な弥勒如来、世親菩薩立像、無著菩薩立像よりも私は四天王像をじっくり鑑賞。
展示されていた四天王像の材は桂です。
桂材は広葉樹で、木目が直通で肌目は緻密で、軽軟ですが反りにくく、加工性も良いという特徴を持っています。
しかし運慶は普通使わない硬い芯持ち材をわざわざ使ったり、木目を逆にしたりと細部を見ていくと一層凄さが感じられます。
髪の毛も一本一本繊細に彫られていて、血管までも浮き出て血が通っているように感じられます。
頭に被る「カツラ」を運慶が作ったら奇抜で凄い物を作りそう…。
(その「カツラ」の語源は桂材と無関係…だと思います。)
「かつら」で思い浮かぶのはもう一つ、「かつら剥き」です。
「かつら剥き」の語源は諸説あります。
その一つが、桂の木の皮が薄く長く剥けるさまに似ているから…だそうです。
実際に桂の樹皮を剥いてみたい。
運慶も樹皮を剥くことが像を作り始める最初の作業だったのでしょうか?
時が経つのを忘れ、ずっと鑑賞してたかったのですが、人も多くそうもいきません。
名残惜しいですがその場を後にしました。
また運慶展が開催されたら必ず見に行きます。
定年後は全ての運慶作品を見に旅しようかな…。(文:兄貴6)

第1130話 13.01.2026「世界の縁起物」

西暦では新年を迎えました。
日本では、正月といえば門松。
玄関などに置かれて、松竹梅で作られることが多く、松が長寿、竹が成長や繁栄、梅が幸運を象徴していることはよく知られています。
なお、世界でも新年に植物を使った縁起物が存在します。
これから新年を迎える旧正月(春節)では、竹や金柑、梅を飾ります。
竹は幸運、健康、繁栄を招くとされ、枝の本数により意味が変わります。
8本だと富を招くとされています。
金柑は、金(ゴールド)を連想させ、富や幸運を象徴しています。
梅は、冬の寒さの中でも咲くことから、忍耐と希望を象徴して、春を呼ぶ吉兆と考えられています。
多くの華人家庭では、これらの植物を飾り、新年をお祝いします。
ベトナムも中国の文化の影響で旧正月(テトと呼ばれている)をお祝いします。
またその期間にいろいろな新年の飾りをします。
桃の花は、恋愛・繁栄の象徴。
柑橘類は、多くの実がなることから子孫繁栄を意味します。
スペインでは、植物を飾りはしませんが、新年の鐘の音に合わせて、12粒のブドウを食べる習慣があるそうです。
これは豊作と健康を願う意味があるそうです。
ギリシャでは、玄関に大きな玉ねぎを飾る新年の習慣があります。
玉ねぎは、地中から芽をだす力強さから、再生と成長、健康の象徴とされています。
古代ギリシャでは、球根植物が生命循環の象徴とされており、キリスト教が伝わったのちも、その習慣が残ったようです。
ほかにもまだまだ植物を新年に飾る習慣はあります。
植物は、再生や豊饒のイメージがわきやすいのか、さまざまな植物が新年に飾られます。(文:ドサンコ)

第1129話 05.01.2026「落ち葉問題」

「♪銀杏並木で~東京バザール…」この歌を知っている方はもう5、60代の方でしょう(歳がバレますね(^^;)。
茨城の片田舎でラジオ少女だった私は「東京」と言う言葉と「銀杏」と言う言葉が強く結びついて心に残っています。
この歌は1970年代頃に明治神宮外苑の銀杏並木でTBSラジオが開催していた若者向けの賑やかなイベントのテーマソングでした。
流行のショップやフードが出店し、田舎娘の憧れの場所でした。
それがいまや、オーバーツーリズムで神宮外苑の銀杏並木は外国人がルール違反でごった返し、混乱の極みだと朝のニュース番組でやっていました。
銀杏もいいけど、「落ち葉、どうすんの?」無法外国人も困るけど、落ち葉もナァ…。
私が毎朝通る江戸通り沿いの道は銀杏の落ち葉でまっ黄色!自転車で通行するときも滑って転びそうで恐怖です。
街路樹の緑は住む人にやすらぎや癒しを与えてくれますが、反面、管理不足の場合は「はっきりいって、大迷惑!」。
ビル風の影響で、自宅の駐輪場の自転車の下に常に街路樹の落ち葉が吹き溜まることに業を煮やした私の主人は、とうとう落ち葉掃除の最終兵器「ブロワー」をモノタロウで購入し、頻繁に落ち葉を吹き飛ばしています。
そう言えば弊社の社屋の横にも社長が植えた白樺(カバちゃん)がありますが、この時期の落ち葉の掃除は、掃除当番の朝の日課となっています。
かつては自分の家の前の道の掃除だけではなく、両隣の家の前まで箒で掃くことがごく当たり前のことだったように思います。
しかし、そうした「江戸しぐさ」的な思いやりや優しさがどんどん失われてしまった現在。
街路樹は「役所が落ち葉清掃等の管理してくれないなら植えるな!」という厳しい意見も出るかもしれません。
実際、秋になって銀杏の実のにおいが気になる、落ち葉の掃除をしてほしいなどの苦情が自治体に寄せられていると聞いたこともあります。
また勝手な意見ですけど、手のかからない木を植えてほしいという意見もあるそうです。
今年、日本中で熊被害が多発していますが、人間が植えた果実の木をめがけて出没してるのだとか。
仕事柄、普通の方よりも木について考える機会が多い私ですが、全く近くに緑がなくても手間のかからない生活がいいのか、多少手間や時間がかかっても身近に樹木がある暮らしがいいのか、永遠に解決できない悩ましい問題を抱えたのでした。(文:まるこんぶ)