第1144話 20.04.2026「シカモア・ギャップ」先日NHKの国際ニュースをテレビで何気なく見ていたら、イギリスの話題が流れてきました。
イングランド北部にある有名な一本の木が切り倒されたという内容でした。
その木は「シカモア・ギャップ」と呼ばれていました。
古代ローマの遺跡であるハドリアヌスの長城のそばに立つ木で、二つの丘の間にぽつんと立つ姿が美しいことで知られていたそうです。
イギリスでは最も有名な木の一つと言われていたのだとか…。
ニュースによると、勝手に伐採をした16歳の少年と60代の男性をイギリスの警察が逮捕したそうです。
その木を見たとき、自分のなかの非常に懐かしい記憶が刺激されました。
その木をどこかでみたことがある気がしたのです。
考えてみると、すぐに思い出しました。
映画で見たことがあるのです。
それはケビン・コスナー主演の「ロビン・フッド」という映画です。
大昔(1991年)の映画の一場面にこの木が登場していたのを思い出したのです。
ネットを検索してみると、やはり映画がきっかけでとても有名になったということを知りました。
実際、この木は2016年に「イングランド今年の木」に選ばれていることも知りました。
自然保護団体が毎年指定している今年の木という企画で、地域の歴史や人々の思い出を象徴する木に贈られる賞のようです。
ちなみに毎年、各地から「今年の木」が選ばれているみたいです。
なお、倒された木の切り株からは新しい芽が出る可能性があるそうで、何百年か経つとまたかつてのような姿になる可能性が残っているそうです。(文:ドサンコ)
第1143話 13.04.2026「来れ!小氷期!」先日、友人夫婦に会った時、友人のご主人が「ストラディバリウスって知ってる?」と聞いてきました。
なんとなくバイオリンの名品だったか?と思って「聞いたことはある」と答えると、その方は「メシアって名前のストラディバリウスってバイオリンは1挺20億円なんだって。テレビでやってたよ」と驚くべき話をしてきました。
バイオリン1挺で20億?
なんでも、「メシア」はストラド(ストラディバリが制作したバイオリンの通称)の中でも頂点に位置していて、もちろん、他のストラドも数億を下らないものばかりなんだとか。
17〜18世紀イタリアの職人アントニオ・ストラディバリが制作したバイオリンは現存するもので約600挺。
なぜそんなに高いのよ?
気になって調べてみました。
すると、ストラディバリの技術もさることながら、使われている木材の性質も関係しているとのこと。
ストラディバリが活躍した時代、ヨーロッパは「小氷期」と呼ばれる寒い気候で寒さが木の成長を鈍化させ、ほぼ一定の気温が密度や年輪を均質にし、目の詰まった木材になったそうです。
ちなみに何の木でできてるのかというとスプルース(マツ科)で、伐採してからバイオリンを作るまで、数十年も乾燥させるらしいです。
「小氷期」が気になったのでさらに調べてみると、ほぼ14世紀半ばから19世紀半ばにかけて続いた寒冷な期間とのことで、1850年代が始まると世界の気候は温暖化に転じており、小氷期はこの時点で終了したとのこと。
そうか、たしかに、日本でも天明・天保の飢饉は歴史で学びましたが、原因は「小氷期」だったんだ…。
昨今の地球温暖化、これは猶予のない喫緊の問題ですが、某大国の大統領などは「そんなの嘘だ、対策など必要ない、石油をガンガン燃やせ!」などと豪語しているそうです。
人類が団結できず、このまま猛暑の夏が続き、極地の氷が溶けて海水面が上昇し、各地で洪水が頻発!!もうどうにかして!って思いますが、この「小氷期」がまたやってくれば、多少改善されるのでは?、などと他力本願、神頼みしかできないワタシでした。
でも、本当に「小氷期」がまた来れば、第2第3のストラディバリが登場する可能性もありますよね。
温暖化対策と名器バイオリンの誕生のためにも「来れ!小氷期!」(文:まるこんぶ)
第1142話 06.04.2026「あの日」2011年の東日本大震災から15年が経ったというニュースが流れました。
あの時あなたはどうしていましたか?
当時のことは一生忘れることはないですね。
私のルーツは岩手県の沿岸部なので、心が痛みます。
この地震は本当に想像を絶するような大きな被害を東北にもたらしました。
岩手県陸前高田市にあった綺麗な松林も、津波であっという間に流されてしまいました。
そんな絶望的な状況で、たった一本だけ踏ん張って残ったのが「奇跡の一本松」です。
何年か前に、実際にその場所へ行ってきたのですが、遠くからでもその姿はパッと目に飛び込んできました。
今は保存処理をされてモニュメントになっています。
「すごくがんばったな」思わず心の中で声をかけてしまうような、不思議な存在感でした。
周りはすごく綺麗に整備されていて、震災当時の面影がないほど復興が進んでいる場所もあります。
でも、一本松のすぐ近くには壊れた建物も残っていて、当時の波の怖さがダイレクトに伝わってきました。
実際に現地に立つと、ニュースで見るのとは全く違う、空気の重みや命の大切さを肌で感じました。
今は新しい苗木も植えられていて、またいつの日か何本もの松原に戻るのを楽しみにしています。
震災のことを忘れないためにも、こういう場所を訪れるのはすごく意味があることだと思いました。
もし東北に行く機会があれば、ぜひ自分の目でこの一本の奇跡を見てほしいです。
きっと、明日からまた頑張ろうっていう前向きな気持ちを分けてもらえるはずですよ。(文:ゴン)
第1141話 30.03.2026「西九州新幹線はスゴかー」つい先日、十数年ぶりに九州の地を訪れてまいりました。
初めてソラシドエアーに乗り長崎空港に着陸。
今回の旅の目的は、3つありました。
1つは長崎ちゃんぽん発祥の店と言われている「四海楼」様で本番のちゃんぽんをすする。
多い時は2時間並ぶこともあるというこちらのお店。
開店1時間前に行くとすでに何人か並んでいましたが、見事に1回転目に着席でき、今まで食べたことがないツルツルシコシコの麺と、深い味わいのスープをいただいてまいりました。
2つ目は「夜景を見る」。
世界3大夜景のひとつとされる長崎の夜景は函館の夜景とは違い、広範囲に渡って光り輝いており、とても美しいものでした。
そして最後3つ目、これが一番重要な任務で、「西九州新幹線かもめ号」に乗る。
実はまだ、九州新幹線にも乗っていないのですが、これに乗るために帰りは福岡空港からの便を予約していました。
西九州新幹線は3年ほど前に運行を開始しましたが、実はまだ部分運行となっており、長崎~博多間のうち、長崎から武雄温泉という駅までしか新幹線としては運行しておらず、武雄温泉からリレーかもめ号という特急に乗り換えて博多に向かうことになります。
そんな新幹線かもめに早速長崎から乗り込むと、列車内は予想通り「木」だらけです。
(もちろん事前に情報は仕入れておりましたが)
JR九州様というと、「ななつ星」に代表されるように木をたくさん使った豪華列車を精力的にどんどん投入されていますよね。
九州新幹線にもサクラやクスノキなどが使用されているそうですが、このかもめちゃんも、同じくあの水戸岡先生が設計されており、しっかり個性を出したデザインはもちろんですが、内装もここまでやるかというほど木だらけでした。
荷物棚、座席の背面部分、手すり、肘置き、その下にはこれまたまさかの木製の収納式テーブルなど、みんな木製でした。
パッと見たときはバーチのように見えたその表面ですが、あとで調べてみたら九州産のナラなどを主にしたオーク材を使用していたということです。
前日に乗車したとき、車内はガラガラで少し寂しい感じでしたが、翌日はほぼ満席で他の乗客の方々もステキな車内にテンション上がったのか、とてもにぎやかでした。
あまりに距離が短いのでほんの数分で下車してしまいましたが、博多まで全線開通したらもう一度ゆっくり乗ってみたいですねぇ。(文:正さん)
第1140話 23.03.2026「実験教室」毎年、実験教室で使われる木材を納品させていただいています。
実験教室とは、小学生向けの塾のようなもので、科学実験を通して自分で考え、手を動かして確かめ、解決する力を育む場所です。
最近、学校で実験の授業が少なくなっているそうです。
先生の負担を軽減する意味では仕方ないことかもしれませんが、実験の授業って楽しかったですよね?
それを補充するためにも実験教室やサイエンス教室といった塾が人気だそうです。
昔は圧倒的に文系の人気が高かったように思いますが、今は理系のほうが専門職や年収面で強みがあり、理系を目指す子どもが増えているようですし…。
(私は完全に文系で、化学や数学はまるっきりちんぷんかんぷんです…)
(「理系」って、カッコイイですね、憧れる…)
さて、木材は加工性がよく、安価でもあるので、実験に使う教材としてよく使われます。
特にパーチクルボードやMDFはお安いので便利。
ただ、今回は厚み5.5ミリのMDFを6ミリに割かなければなりませんでした。
この加工がちょっと大変です。
しかも1000本以上!
カットするのも大変だし、数えるのも大変だし、梱包するのも大変…。
ちなみに納品場所も車の通行量や通行人が多い場所で大変でした~。
でも、子どもたちの真剣に実験に取り組む姿を想像すると協力したくなります。
「手間暇万歳」です!(文:木材バカ四代)
第1139話 16.03.2026「川沿いのサクラ」ボランティアで埼玉県行田市の川清掃に参加しました。
元々は奥さんがSNSで知りすでに数回参加していて、私は初参戦です。
実は私、まともに泳げないおじさんです…
川の中に入るのは危険ですので、川沿いのゴミをひたすら拾っていくだけです。
この団体の川清掃は毎月第2土曜日に定期的に行っているので、それほどゴミが無いかと思いきや、上流から流れて来るのか、ペットボトルや空き缶などが散乱していて、あっという間にゴミ袋は一杯になり、ほんの1、2時間で何袋も出ました。
川の中はもっとすごくて、ベテランの方々が水中で作業をしていて、ひどいのにもなると箪笥やカーテンなどの大物もありました。
作業自体は2時間ほどですが、出てくるゴミの量にびっくりです。
そこでそのボランティアに人に聞いたのですが、この近くの川沿いの桜ソメイヨシノが、一気に伐採されるそうです。
理由は外来種のクビアカツヤカミキリというカミキリムシが桜の木を腐らせてしますからです。
クビアカツヤカマキリは首に赤いマフラーを巻いているような配色で見分けがつきやすいです。
木が腐ると倒木する危険があるのと、どんどん隣の木に広がってしますので、災害の拡大を防ぐために、まとめて全部伐採してしまうそうです。
埼玉県行田市では数年前はクビアカツヤカミキリを10匹捕殺したら500円分の商品券と引き換えるキャンペーンを行っていて、今でも駆除の費用に対していくらか補助金を出してくれるほどの力の入れようです。
そして今回の一気に伐採と市の必死さが伝わってきます。
これから桜が綺麗な季節ですが、裏にはこういった厳しい現状があるのですね。
川清掃ボランティア活動にはまた参加したいと思います。(文:くりすけ)
第1138話 09.03.2026「モルック」最近、気になっているスポーツがあります。
それは、フィンランド生まれのモルックです。
小さな子供からお年寄りまで気軽に楽しめるスポーツです。
モルックの材質は何かというと、木材に携わる人ならフィンランドと聞いて真っ先に思い浮かぶでしょう。
そう、フィンランドバーチ材です。
日本では初心者用として松材のものもありますが、大会では正規品のバーチ材が使われます。
競技は木製のピンを木製のスティック(モルック)を投げ、倒します。
ボーリングの木バージョンと思われるかもしれませんが、ボーリングとは全く違うスポーツです。
ただ、倒したピンの数で勝敗が決まるものではありません。
ピンを倒すのは同じですが、ピンが倒れても重なって地面についていないピンは得点になりません。
ピンに数字が書いてあり、1本だけ倒すとその数字が得点に加算されます。
倒れたピンはその場にまた立てて競技は再開されます。
50点ピッタリ得点すると勝利となり、50点を超してしまうと25点に戻ってゲームは続きます。
3回連続でピンを倒せないと失格になってしまいます。
ただ投げるだけでなく、頭も使うスポーツです。
だれでも気軽にできるスポーツなので、将来はオリンピック競技になる可能性も…。
毎月のようにどこかで体験会が開催されています。
モルックを一度は体験したいと思います。(文:兄貴6)
第1137話 02.03.2026「ミモザ」三月になると、冬の寒さが和らぎ、木々は一斉に春の兆しを見せ始めます。
その中でも、ミモザは早春を象徴する木の一つとして知られています。
この時期、日本でも庭木や街路樹として植えられたミモザが開花します。
ミモザは比較的成長が早く、適した環境では数年で大きくなる木です。
原産地はオーストラリアで、温暖で日当たりのよい場所を好む性質があります。
耐寒性はある程度ありますが、強い霜や長期間の低温には弱い面もあります。
葉は細かく分かれた羽状複葉で、やわらかい印象を与える形をしています。
この葉の形は風の抵抗を受けにくくする役割もあるそうです。
また、花が咲く時期には甘い香りを放つことでも知られています。
ちなみに今月、3月8日は国際女性デーです。
この日は女性の権利や社会的地位について考える日であり、1900年代初頭の労働運動が背景にあるとされています。
国や地域によっては祝日になるそうです。
「ミモザの日」と呼ばれ、ヨーロッパでは春の象徴とされているミモザの花を贈る習慣に由来しています。
日本でも国際女性デーが徐々に広まりつつあります。
テレビ番組で国際女性デーについての話をするときに、背景にミモザがそっと映されていたりします。
三月のミモザは、まだ葉が十分に茂る前に花を咲かせることが多いです。
そのため、黄色い花がより一層目立ち、春の訪れを強く感じさせてくれる存在といえるでしょう。(文:ドサンコ)
第1136話 24.02.2026「リニアモーターカーとブナ」先日テレビで、「神様の木に会う巨樹の旅」という番組を見ました。
長野県・大鹿村で窮地に追い込まれている巨樹として樹齢300年のブナの木を紹介していました。
その巨樹は山の中腹にあり、周りをたくさんの木々で囲まれたひときわ目立つ存在。
ブナは急斜面にへばりつくように根をおろしており、樹齢は優に300年を越しており、幹周は4.3メートル、成人男性が3人掛かりで手をいっぱいに広げてやっと届く程のブナとしてはかなりの巨樹です。
この時、大鹿村では、リニア中央新幹線の建設工事が行なわれており、それによってこの巨樹に伐採の危機が訪れているといいます。
この巨樹の10メートル離れた場所にもう一本、同じようなブナの巨樹があり、この木も伐採の対象となっているのだとか。
理由はリニアの送電線の鉄塔を建てる為にこの辺りの木々を伐採するのだそうです。
そのブナを伐採されたくない、と守ろうとする地元の若者たちがいました。
その若者は、ブナの巨樹を伐採しなくても周りの木々達を伐採してしまえば、友達を失った時の人間と同じで、ブナもきっと命を失ってしまうだろう、と心配していました。
2本のブナの木を切らないで欲しい、と送電線の鉄塔を計画している電力会社に訴え、署名活動をしていましたが、数カ月後、2本のブナの周辺に異変が起きているという知らせが入り、現地に向かうと2本のブナの巨樹のみを残し、周りの木々は約1000平方メートル(テニスコート5面分)根こそぎすべて伐採されてしまっていました。
若者の希望通りにブナ2本は伐採されませんでしたが、それは果たして正しかったのか?自分だけのエゴだったのじゃないか?という思いだけが残りました。
リニア中央新幹線といえば東京・品川から愛知・名古屋を通って大阪を終点とする新幹線で、大井川の水が枯れる?とか、南アルプスの生態系への影響やトンネルを掘った土砂処理など、建設が及ぼす環境破壊への懸念が山積み。
いつ開業するんだ?と聞くと多くの人が「いつになるかはわからない」と言われています。
開業したら品川駅と名古屋駅との間は最短40分で結ばれるわけで、現在、東海道新幹線では日中時間帯の「のぞみ」が同じ区間を1時間30分前後で結んでいるから50分ほどの短縮、つまり現在のほぼ半分程度の時間で到達可能となるのだとか…。
一般市民の私からすると、「たった50分の短縮」の実現で、ほとんどトンネル内を走っていて景色を楽しむ列車旅の醍醐味が感じられない旅をどこの誰が好き好んで選ぶのだろうか?メリットあんの?誰トク?って思ってしまいます。
それこそ、丸裸の山中に残された2本のブナの巨樹や周りの伐採された樹木、それらを守っていこうとした地元の人々、全てが被害者なんじゃない?と感じます。
番組最後に若者の母親が「人間は自然の一部であり、傲慢であってはならない。自然に対して謙虚になるべき」と語った言葉が、とても強く印象に残りました。(文:まるこんぶ)
第1135話 16.02.2026「ウッドデザイン賞」突然ですがウッドデザイン賞という賞をご存じですか?
グッドデザイン賞は耳にした事はあると思いますが、ウッドデザイン賞はまだまだメジャーな感じはないですね?
私は勉強不足で、つい最近テレビのクイズ番組でこの賞の存在を知りました。
このウッドデザイン賞とは木を使って様々な社会課題を解決する事を目指す活動です。
木を活かして新たな時代の価値をデザインする事を目的にしています。
優れたデザインの建築・空間や製品、活動や仕組み、研究等を募集・評価して表彰する顕彰制度のことです。
2025年の建築・空間分野の最優秀賞(農林水産大臣賞)には、大阪万博での大屋根リングが選ばれました。
世界最大の木造建築物としてギネスに認定されたので当然の受賞ですね。
私は実際に見られなかったことが悔やまれます。
その他にも最優秀賞(経済産業大臣賞)にはヤマト本社ビルが選出されていて、写真でしか見られませんがこちらも魅力的に木が使われています。
こちらは是非見学に訪れてみたいですね。
それから優秀賞のプロダクツ分野では、ヒノキの草木染箸が選ばれていてこちらも使ってみたいと思います。
他の優秀作品たちも見事に木を使っていて木の良さを発信していました。
我が社では昨年に工作室が完成しています。
今後この工作室からウッドデザイン賞に選出されるようなプロダクツが完成するようになれば良いなあ、なんて考えている今日この頃です。(文:ゴン)
第1134話 09.02.2026「オクシズ材ってナニ?」今回も前回に引き続き静岡からのお話です。
木造の掛川駅から在来線に乗り、静岡駅までやってきました。
新幹線ではあまり感じないのですが、在来線に乗るとその土地の人達が多く乗っていて、その場所の風土や人となりなどが感じられていいですよね。
なんとなく心が安らぐ気がします。
なので、地方へ行ったときはなるべく在来線に乗るよう心掛けております。(笑)
で、静岡駅です。
静岡へは東京から200キロほどですが、20~30年前はこのエリアの担当でしたので、私もトラックでちょくちょく配達や営業に行っておりました。
まだその当時は第2東名がなく、帰りはいつも渋滞にハマってしんどかった記憶があります。
ですが、駅には行ったことなく、今回ほぼ初めて駅に降り立ったことになります。
デカイ駅ビル(アスティ静岡様)の中で、お土産や帰りの新幹線内で呑むビールのうまそうなつまみがないかなぁ~とウロウロしていた時のことです。
1階のはじっこのほうに喫煙室を発見、数時間吸ってなかったので早速入室。
「フー」と気持ちよく水蒸気を吐き出していたときです。
なんとその室内が木だらけだったのです。
床には木製のイス、壁には切子細工の美しいパネルがいくつか飾られておりました。
そのハジに「オクシズ材」という表記がありまして、「ん?なんだそりゃ?そんな材ってあったか?聞いたことないな~」でもキレイだったので、パチリと撮影してきました。
帰ってから調べてみると、静岡の奥地のほうにあるスギやヒノキなどを、「オクシズ材」と銘打って、静岡木材業協同組合様がPRしているということがわかりました。
静岡市は面積の76%が森林で、今そこで育ったスギやヒノキが伐採期を迎えているそうです。
間伐した材を有効利用していくため、静岡市と地元の木工関連の業者様の協力のもと、いろいろなところでPRしているそうです。
あちこちで喫煙室や喫煙所を利用させていただいておりますが、こんなに安らぐ雰囲気は記憶にありません。
吸い終わってもしばらく眺めておりました。
ただ、静岡の木材を使ってください!というより、こういうネーミングをつけてアピールしていくというのはいいですよね。
東京でいえば、「オクタマ材」となるのでしょうか。
大変勉強になりました。
あ、ちなみにそのあとつまみに「静岡おでん」を買いました。
とってもおいしくいただきましたぁ。(文:正さん)
第1133話 02.02.2026「ラオス木材事情」1990年前後、私はバックパッカーでした。
東南アジアや中東やアフリカを旅していました。
あれから35年間が経ち、今では材木屋の社長になり、家族ができ、もう自分はかつてのような一人旅はできないだろうな…と思っていました。
ところがタイミングが合い、年末年始の9日間、一人で旅に行くことになりました。
場所はラオス。
アジアの中でまだ行ったことのない国だったので、ラオスを選択しました。
航空券だけ買い、ホテルの予約はせず、その他の予定は一切決めない私が昔に旅をしていたスタイルで…。
しかも私のミスで携帯がネットにつながらない状況に…。
まさに昔の旅の状況を再現できたわけです。
いや、現在はスマホでマップを見る時代なので紙のフリーマップが現地で手に入らず、当時より旅がしにくくなってしまいました。
たった一人の状況は自ら作り、さらにデジタルデトックスもできちゃったわけです。
不安でドキドキの連続でした。
でも、一日一日過ぎていくうちにどんどん国や町の全体像が分かってきて、楽しくなっていきました。
旅は生活を単純化していきます。
布団で寝られることだけで感謝できるし、夕日を見られるだけで感動します。
マルチタスクは必要なく、目の前のことのみが重要になります。
複雑化した生活が、9日間で少し整理されたような旅になりました。
追記:ラオスの木材事情が気になり、材木屋や建築資材屋を覗いては品質や値段をチェックしてきました。
写真はラオスの材木屋さんですが、言葉が通じず店員さんとの会話は盛り上がりませんでした…。(文:木材バカ四代)
第1132話 26.01.2026「花粉症」お正月も終わり、1月も終わりになってきて、たまに南風が吹き気温が高くなると、やってくるのが目のかゆみと止まらない鼻水…。
そうです、杉花粉の症状です。
私は佐久間木材に入社する前から花粉症です。
もうかれこれ25年以上はこの症状に付き合っています(涙)。
2020年のデータですが、日本人の39パーセントが花粉症だとか…。
いまの時期の耳鼻科は大混雑です。
花粉症という私の大きな悩みは日本特有のものではなく、世界各国に「ご当地花粉症」が存在します。
世界3大花粉症と呼ばれるものまで存在しています。
まずは日本の「スギ」。
戦後の復興期に大量植林された杉が、数十年経って一斉に花粉を出し始めたのは有名な話ですね。
そして北米で猛威を振るうのが「ブタクサ」。
3つ目はヨーロッパの「イネ」。
興味深いのは、この3つの花粉症はシーズンがすべて違う時期ということ。
スギは冬から春、北米のブタクサは夏の終わりから秋、イネは春から夏まで。
日本にいて一年中花粉症だという方もいらっしゃいます。
(可哀そうですね…)
花粉症対策で、それぞれのお国柄がでるのも興味深いところです。
日本はマスクや花粉用メガネという物理的防御が一般的ですが、欧米ではこれらを使う人は少なく、点鼻薬や抗ヒスタミン剤という薬物療法が一般的だとか…。
(私はマスクも薬も両方必要です…)
日本以外でも昔はそれほど問題になっていなかった花粉症。
気候変動による植物分布の変化や大気汚染などが原因かもしれません。
あぁ、マスクを着けずに春の日を健やかに過ごしてみたい…。
「木材関係の仕事だから花粉症大変だねー」とよく知人に心配されますが、木材に花粉が付着しているわけではないので関係ないですよ、安心してください。(笑)(文:くりすけ)
第1131話 19.01.2026「運慶展」昨年開催された運慶展に行ってきました。
運慶の作品は力強さや躍動感が感じられ、とても好きです。
一番有名な弥勒如来、世親菩薩立像、無著菩薩立像よりも私は四天王像をじっくり鑑賞。
展示されていた四天王像の材は桂です。
桂材は広葉樹で、木目が直通で肌目は緻密で、軽軟ですが反りにくく、加工性も良いという特徴を持っています。
しかし運慶は普通使わない硬い芯持ち材をわざわざ使ったり、木目を逆にしたりと細部を見ていくと一層凄さが感じられます。
髪の毛も一本一本繊細に彫られていて、血管までも浮き出て血が通っているように感じられます。
頭に被る「カツラ」を運慶が作ったら奇抜で凄い物を作りそう…。
(その「カツラ」の語源は桂材と無関係…だと思います。)
「かつら」で思い浮かぶのはもう一つ、「かつら剥き」です。
「かつら剥き」の語源は諸説あります。
その一つが、桂の木の皮が薄く長く剥けるさまに似ているから…だそうです。
実際に桂の樹皮を剥いてみたい。
運慶も樹皮を剥くことが像を作り始める最初の作業だったのでしょうか?
時が経つのを忘れ、ずっと鑑賞してたかったのですが、人も多くそうもいきません。
名残惜しいですがその場を後にしました。
また運慶展が開催されたら必ず見に行きます。
定年後は全ての運慶作品を見に旅しようかな…。(文:兄貴6)
第1130話 13.01.2026「世界の縁起物」西暦では新年を迎えました。
日本では、正月といえば門松。
玄関などに置かれて、松竹梅で作られることが多く、松が長寿、竹が成長や繁栄、梅が幸運を象徴していることはよく知られています。
なお、世界でも新年に植物を使った縁起物が存在します。
これから新年を迎える旧正月(春節)では、竹や金柑、梅を飾ります。
竹は幸運、健康、繁栄を招くとされ、枝の本数により意味が変わります。
8本だと富を招くとされています。
金柑は、金(ゴールド)を連想させ、富や幸運を象徴しています。
梅は、冬の寒さの中でも咲くことから、忍耐と希望を象徴して、春を呼ぶ吉兆と考えられています。
多くの華人家庭では、これらの植物を飾り、新年をお祝いします。
ベトナムも中国の文化の影響で旧正月(テトと呼ばれている)をお祝いします。
またその期間にいろいろな新年の飾りをします。
桃の花は、恋愛・繁栄の象徴。
柑橘類は、多くの実がなることから子孫繁栄を意味します。
スペインでは、植物を飾りはしませんが、新年の鐘の音に合わせて、12粒のブドウを食べる習慣があるそうです。
これは豊作と健康を願う意味があるそうです。
ギリシャでは、玄関に大きな玉ねぎを飾る新年の習慣があります。
玉ねぎは、地中から芽をだす力強さから、再生と成長、健康の象徴とされています。
古代ギリシャでは、球根植物が生命循環の象徴とされており、キリスト教が伝わったのちも、その習慣が残ったようです。
ほかにもまだまだ植物を新年に飾る習慣はあります。
植物は、再生や豊饒のイメージがわきやすいのか、さまざまな植物が新年に飾られます。(文:ドサンコ)
第1129話 05.01.2026「落ち葉問題」「♪銀杏並木で~東京バザール…」この歌を知っている方はもう5、60代の方でしょう(歳がバレますね(^^;)。
茨城の片田舎でラジオ少女だった私は「東京」と言う言葉と「銀杏」と言う言葉が強く結びついて心に残っています。
この歌は1970年代頃に明治神宮外苑の銀杏並木でTBSラジオが開催していた若者向けの賑やかなイベントのテーマソングでした。
流行のショップやフードが出店し、田舎娘の憧れの場所でした。
それがいまや、オーバーツーリズムで神宮外苑の銀杏並木は外国人がルール違反でごった返し、混乱の極みだと朝のニュース番組でやっていました。
銀杏もいいけど、「落ち葉、どうすんの?」無法外国人も困るけど、落ち葉もナァ…。
私が毎朝通る江戸通り沿いの道は銀杏の落ち葉でまっ黄色!自転車で通行するときも滑って転びそうで恐怖です。
街路樹の緑は住む人にやすらぎや癒しを与えてくれますが、反面、管理不足の場合は「はっきりいって、大迷惑!」。
ビル風の影響で、自宅の駐輪場の自転車の下に常に街路樹の落ち葉が吹き溜まることに業を煮やした私の主人は、とうとう落ち葉掃除の最終兵器「ブロワー」をモノタロウで購入し、頻繁に落ち葉を吹き飛ばしています。
そう言えば弊社の社屋の横にも社長が植えた白樺(カバちゃん)がありますが、この時期の落ち葉の掃除は、掃除当番の朝の日課となっています。
かつては自分の家の前の道の掃除だけではなく、両隣の家の前まで箒で掃くことがごく当たり前のことだったように思います。
しかし、そうした「江戸しぐさ」的な思いやりや優しさがどんどん失われてしまった現在。
街路樹は「役所が落ち葉清掃等の管理してくれないなら植えるな!」という厳しい意見も出るかもしれません。
実際、秋になって銀杏の実のにおいが気になる、落ち葉の掃除をしてほしいなどの苦情が自治体に寄せられていると聞いたこともあります。
また勝手な意見ですけど、手のかからない木を植えてほしいという意見もあるそうです。
今年、日本中で熊被害が多発していますが、人間が植えた果実の木をめがけて出没してるのだとか。
仕事柄、普通の方よりも木について考える機会が多い私ですが、全く近くに緑がなくても手間のかからない生活がいいのか、多少手間や時間がかかっても身近に樹木がある暮らしがいいのか、永遠に解決できない悩ましい問題を抱えたのでした。(文:まるこんぶ)
