第1045話 07.05.2024「みどりの日の紅葉」

このコラムを書いている日はみどりの日。
そう、ゴールデンウィーク真っ只中の初夏、新緑がとても美しい時期です。
今月あたりから真夏日を感じる気温を記録しているので、こんな時期に紅葉?と思いますよね。
何日か前、何気なく天気予報を見ていたら、天気予報士・ミナミさんが「新緑の時期に紅葉の美しい木がある」と教えてくれました。
なぬ?!この時期に紅葉?何の木?と耳を傾けると、クスノキだそうで、4下旬~5月上旬に紅葉し、落葉するんだそう。
木の知識の少ないワタシでも知ってるクスノキは、公園など街中でもよく見かける木ですが、年に2回も紅葉するなんて知りませんでした。
このGW中に紅葉したクスノキを探しに行ってみるか~。

過去のコラムでも諸先輩方がクスノキについて幾度となく書き尽くしていましたが、古くから各地の神社などにも植えられていて、巨木になるのでご神木になったり、木材から樟脳が採れる香木としても知られ、仏像などの材にも使われた神聖かつ便利な木。
そんな人間にとってみるといい事づくめ的なクスノキですが、1つ気になった事も。
我が社がある台東区は、隅田公園や上野など桜の名所が多い事で有名ですが、クスノキのような樹勢の旺盛な樹木は、桜の陰になって生育を脅かす存在にもなってしまうことがあるらしいく、桜にとってはけっこう迷惑な存在なんだとか。
丈夫で長生き、しかも勢いあるぜ!って事も、他の木にとっては迷惑な事なんですね。
ここだけの話、人間社会にも似たような事例がある気がしますな…(°д°)。(文:まるこんぶ)


第1044話 30.04.2024「どちらが良いですか」

この写真は、とある住宅分譲地の写真です。
通りを挟んでそれぞれ違う会社が家を建てました。
写真ではわかりにくいですが、何か違いに気が付きますか?
手前の2棟は弊社で内装建材を納品している会社が建てた家です。
奥の2棟は大手のハウスメーカーの家です。
大きな違いはお家を立てる工法です。
大手ハウスメーカーは、工場で構造躯体から外壁まで仕上げてトラックで運び、現地で組み立てるユニット工法です。
見た目、上棟した時には完成しているようです。
そのため圧倒的に工期の短縮が可能で、同じ規模の分譲地なのに後から始まったこちらの方がどんどん棟数が増えています。
それに足場工事がないため、人件費や設備費も削減されていることと思われます。
メリットばかりかと思われますが、私が思うに同じような家が並び個性がなく、誰かの歌にあったような気持ちになります。
一方、弊社がお世話になっている会社の分譲地は在来工法で家が建てられていて、大工さんが上棟から手を加えています。
上棟の時には大工さんが足場の上を飛び回り、柱や梁を1本1本丁寧に組み立てていきます。
工期はかかりますが大工さんは腕の見せ所ですね。
外観も様々な家が並び、施主様の個性が感じられます。
どちらの家に住みたいかと言われれば後者になりますが…。(文:ゴン)


第1043話 22.04.2024「世界最大級木造建築物完成間近」

先日テレビを見ていたら「大阪万博開催まで1年を切りました」というニュースが流れておりました。
「ふ~ん」私は正直、いつから始まるかも知りませんでした。
そもそも万博に興味はありませんでしたが、目に留まったところはシンボルとなるリング状の建物が「世界最大級木造建築物となる」という点でした。
このほど、全体の8割が出来上がり公開となったそうで、ナント高さ20メートル、全周2キロものリングになるそうです。
そのリングは完成すれば各国のパビリオンを囲み、そしてその屋根の上からは大阪湾などスバラシイ景色を楽しむことができるそうです。
屋根材は当コラム欄でも、何度か紹介されている最近流行りのCLTクンが使われております。
柱や梁はNLTを使った貫工法にて組み立てており、材料は東日本大震災の被災地、福島県産の木材が使われます。
ちなみにNLTとは、ツーバイ材を釘で重ね合わせ厚み部分を立てて使う材をいいます。
しかしこの大阪万博、みなさんもお気づきの通りあまり盛り上がっていないのが現状です。
関西の方たちも、必ず行くと思っている人は3人に1人だとか。
理由としては、やはり能登半島地震が大きく、次いで「おカネがかかりすぎる」からです。
当然のことでしょうが、そんなお金があったら復興へまわすべきだと…。
ごもっともですが、この場ではそういう話ではなく、費用の話をしたいと思います。
例えばこのリングの建築費、ナント350億もかかるそうです。
CLTは元々欧州から伝わってきた商品ですが、ドイツでは7万/立法メートルの価格なのに対し日本では15万/立法メートルと2倍以上だそうです。
ドイツではトウヒというマツ科の成長の早い木を使っているのですが、日本ではスギやヒノキが使われております。
日本のスギは水分が多く乾燥するのに手間がかかることや、歩留まりも15~30%程度になってしまうことも価格が高騰してしまう要因のようです。
仕方ないようですね。
さらには、建設予定の外国のパビリオン50のうち着工したのは12、建設業者さえ決まっていないところが20もあるとのこと。
テレビに映る会場もリングの中はガランとしていました。
資材運搬する道路は連日大渋滞しているそうですが、いやはや間に合うのでしょうか。
吉村知事も「延期も中止もありえない!」と息巻いておりますが、2020東京オリンピックの時も結局1年延期しましたが、2021年春の時点ではまだ大反対されていましたよね。
ただ私自身もそうでしたが、東京オリンピックは今ではいい思い出になっているような気がしております。
来年の大阪万博も延期したとしてもそうなることを願っております。
もちろん、私は必ずや訪れますよ~。(文:正さん)


第1042話 15.04.2024「パネルソー設置完了」

待ちに待ったパネルソーがようやく設置されました。
今まで、ずっと欲しかったのですが、東京の倉庫はスペースがあまり大きくないので、なかば諦めていました。
パネルソーって、高さはあるけど平面的にはそれほど場所を取られないように見えますが、意外とかさばるのです…。
東京23区内でパネルソーがある材木屋は数少ないと思います。
ここ数年、倉庫の在庫を見直し、空間を工夫して利用することで何とか場所を確保できました。
動力の電気を引き延ばす工事をし、天井照明の位置を移動し、準備完了。
これでスペースの問題は解決できました。
あと、いままでカットを依頼していた外注先にご理解いただいたのも大きい要因です。
仕事に対する責任感と真摯な対応、プロとしてのしっかりした技術のある尊敬する職人さんです。
数年先を考え、技術の伝承を快く承諾していただきました。
機種の選定や業者の紹介までしていただき、有難いことです。
4月3日、パネルソーを愛知県からご高齢の社長が自らトラックを運転して搬入していただきました。
倉庫は天井高があるのでユニック車を使って比較的楽に搬入できたのですが、「かねのて」を出すのに微調整を繰り返し、結局丸一日かかりました。
いろんな人に支えられて今の事業を続けられていることを実感した記念すべき一日でした。
さあ、これから技術を身につけて今までできなかったサービスで喜んでもらおうと思います。
楽しい仕事が増えそうです。(文:木材バカ四代)


第1041話 08.04.2024「防風林」

関東では今年3月に強風の日がたくさんありました。
ニュースでは、強風すぎてハンドルを取られての車の事故や、倒木などで電車などの交通機関にも大きく影響が出ていました。
当店の仕事的には、納品の際に合板などが強風に煽られて大変でした。
またスギ花粉が飛散して、花粉症の私にはつらい日々でした。
あと田舎あるあるなのですが、強風の日は畑の土が飛んで家に入ってきます。
わが家の北側の真ん前には一面のブルーベリー畑。
うっかり窓なんか開けていたら、部屋の中に飛んできた土が散乱したり、換気扇から土が侵入して部屋掃除をしっかりとしなければなりません。
農家の人たちは家も畑も風から守らなければいけないので大変ですね
こういった強風から農作物を守るために造成される森林のことを農地防風林といいます。
農地防風林は安価で成長が早いスギとかが広く用いられています。
ただスギは日陰となる下の部分の枝が淘汰されるなど手間がかかったり、今日のスギ花粉などの問題で、クロマツやツガやヒノキなど違う樹種を使用するケースが増えているそうです。
海からの潮風から守るために海岸沿いに植えられている塩に強いマツなど、自治体で管理している海岸防風林もあります。
防風林の整備された景観は美しい日本の風景の一つとも言えます。
いままで、自然災害が多い我が国は防風林をしっかりと維持管理してきて、このような自然災害と戦ってきました。
木と共に生きて木と支えあっていくことが大事だと強く思いました。(文:くりすけ)


第1040話 01.04.2024「日本古来の方法」

日本は昔から水が豊富で山も多く、林業は盛んでした。
そして各地でその土地ごとに特色のある林業があります。
今回は、京都の北山地方が発祥の「台杉仕立て」という方法をご紹介します。
この方法は、室町時代中期、西暦1300年ごろから行われています。
京都の北山地方は、朝廷や寺院の所領として営まれてきました。
そこから木材や薪炭、松明などが収められてきました。
急峻な山々が連なり、平地が少なく、一年を通じて気温が低く、冬には北山時雨という雨が降ります。
山の急斜面は、木を伐採した後に苗を植えることが難しいそうです。
さらには、昔は植林用の苗が貴重で失敗が許されないという状況があったようです。
また、この地域には木材を流して運べるような広い川が無かったため、大きい木を運び出すのが困難だったのです。
一方、山道を歩いていくと半日で都まで一往復できるという立地でもあったため、人力でも運べる小さい木に付加価値をつける必要があったようです。
そこで生み出されたのが、台杉仕立てという植林の方法です。
台杉仕立ては、手のひらを広げたような形をした一本の木から、数十本の木が伸びるという独特の形状をしています。
この木を育てることで、一本の木から何本も丸太を取ることができるようです。
台杉仕立てで育てられた丸太は、一般的な杉よりも柔軟性と密度に優れていて、強度が高いそうです。
最近では、丸太としてだけではなく、造園用としても使われているようです。
その独特な形状から、同じ形のものはないと言われています。(文:ドサンコ)

参考
藤田林業
京都市緑化協会
京都北山丸太協同組合


第1039話 25.03.2024「木のクリーニング」

通勤のバスから何気なく街路樹を見ていると、タグが飛び込んできました。
まるでクリーニングに出した時のタグみたいに、アルファベットと数字が書いてありました。
気になりずっと街路樹を見ていると、全てに付いています。
その場所は駅から直線で2キロほど続く道。
バスを降りて歩きながら最後の街路樹を確認すると番号は187番でした。
丸裸に剪定してスッキリした木に付けているのでしょうか?
何か意味があるのかと疑問を持ちながら出社。
昼休みに役所へ電話してみると、担当の課に繋いでくれました。
街路樹は公園課が担当だそうです。
公園課が街路樹担当とは不思議に思いながらもタグについて聞いてみたところ、何の木が何本植えてあるかを確認するために付けているとのこと。
お忙しい中、丁寧にお答えしていただきました。
ふと頭によぎったのは某会社の除草剤事件。
その後テレビのニュースを見ていると、人身事故の映像の中にもタグ付きの木を発見。
あちらこちらでタグ付けしているのでしょうか?
気になってある程度の大きな直線通りを通ると確認する癖がつきました。
この2ヵ月程で3か所ほどタグ付きの道路を発見。
今まで気にしていなかったのですが、例の事件から付け出したのでしょうか?
真相を役所に聞いてみようと思っています。(文:兄貴6)


第1038話 18.03.2024「花より団子」

暦の上では春分です。
日中は暖かく感じられる時間帯も比較的多くなってきました。
じわりじわりと春に近付いています。
冬から春になりかけのこの時期が1年の中では結構好きです。
花粉は辛いですが。

先日、河津桜が綺麗に咲いておりました。
もうしばらくすると、佐久間木材近くの上野恩賜公園や隅田川沿いのソメイヨシノが見頃になります。
今年の花見はどこへ行こうか。
今から楽しみです。
桜を見るのも楽しみですが、もっと楽しみなのが屋台の食べ物です。
割合でいうと8:2(食べ物:桜)です。
花見と言えば三色団子ですね。
この三色団子の色(ピンク・白・緑)には意味があるって知っていましたか?
ピンクは春の花を、白は冬の雪を、緑は夏の新緑を表現しており、”秋”がないのは、「あきがない」→食べ「飽きない」→団子屋が商売繁盛するという団子屋さんの遊び心からなのだとか。
諸説ありますが、私はこの洒落が効いている説が気に入っています。
いっぱい食べて満腹で見る桜…考えただけでも幸せです。(文:2号目)


第1037話 11.03.2024「和ろうそくも木のおかげ?!」

先日、20年前の岐阜・飛驒古川地区の和ろうそく屋に下宿する連ドラの再放送を見ました。
また、その放送を見たすぐ後日、ドラマの舞台モデルになったと言われている和ろうそく屋さんの40年前に放送されたドキュメンタリー番組を見ました。
偶然にも、和ろうそくについて触れる機会が連続であったので興味が沸き、調べてみました。
和ろうそくの原料は、櫨(はぜ)の木の実の外殻から抽出した油脂で「木蝋」と呼ばれる蝋が使用されています。
ハゼノキは、 ウルシ科の落葉小高木で秋に美しく紅葉することで知られ、脂肪分が多く、坐薬や軟膏の基剤、ポマード、石鹸、クレヨン、化粧品などの原料として利用されるほか、ハゼ餅として食べたりしたそうです。
木材としてもウルシと同様心材が鮮やかな黄色で、工芸品、細工物、和弓、櫨染(はじぞめ)などに使用されました。
和ろうそくは西洋ろうそくに比べて、すすが出にくい上にわずかに出たすすも叩くとさっと取れる為、お仏壇や部屋を汚しにくく傷めることがないそうです。

和紙でできた芯は、溶けた蝋を芯が吸い上げながら燃えるので、蝋が垂れるのを防ぎ、最後まできれいに燃え尽きるので、においも汚れも気にならないのだとか。
また、風に強く消えにくく、屋外での使用に適しているため、飛騨・古川で毎年1月15日に行われる三寺参りには、3つのお寺(円光寺、真宗寺、本光寺)に1本13㎏以上ある巨大な和ろうそくが奉納され、一番の名物なのだそうです。
先日見た番組では、その和ろうそくの伝統的な製作風景や三寺参りの様子が詳しく紹介されており、雪深い厳しい飛騨の冬に幻想的な風景が広がっていました。
人にやすらぎを与えるといわれるろうそくの灯り。
特に和ろうそくの灯は心を癒す力があり、リビングやお風呂で灯すととてもやすらぐといいます。
岐阜は、エコモクでもお世話になっているお取引様もいくつかあり、木材と深くつながれる場所です。
近いうちぜひ訪れてみたい場所の一つに加わりました!(文:まるこんぶ)


第1036話 04.03.2024「木のお酒」

皆さんはお酒がお好きですか?
どのようなお酒を飲みますか?
私はビールが大好きですが、毎日の晩酌では節約のため焼酎を飲んでいます。
最近厚生省からアルコールについてのガイドラインが発表されましたが、そんなことは気にせずに飲んでいます。
そんな酒好きの私が注目のニュースを見つけました。
それは「ときがわの杉 蒸留酒に」というニュースです。
蒸留酒とはウイスキー・ブランデー・焼酎など液体を熱して気体にして冷やして液体に戻したお酒です。
お酒と言えば米・麦・芋など植物と結び付く飲み物ですよね。
木とお酒?なかなか結び付かないですね。
ウイスキーの樽はオークで作られている事は知っていますが…
この記事によると、木材を原料にした「木の酒」の商品化を目指す酒造会社が、ときがわ町の杉の間伐材を原料に蒸留酒造りに取り組んでいるそうです。
木は硬いためアルコールの抽出が課題でしたが、2018年に森林総合研究所が世界で初めて木材を1000分の1ミリまで粉砕できる技術を開発したことで、製造が可能になったそうです。
どの分野でも新しい技術の開発は新たな世界を生みますね。
木の酒はスギのほかシラカンバやミズナラを使った酒も開発しているそうで、木材の種類によって異なる香りが楽しめるとの事です。
新たな間伐材の利用方法が始まり、楽しみが増えますね。
早く手軽に買えるようになれば、晩酌は木の酒にしたい今日この頃です。(文:ゴン)


第1035話 26.02.2024「森林環境譲与税徴収始まる」

年が変わり早くも二ヶ月が過ぎようとしています。
ホントに早いですよねー、いつも同じこと言っていますが(笑)。
唐突ですが、そんな今年は表題の税の徴収が始まります。
ようやく国が重い腰を上げ2019年から始まったこの制度。
「日本の荒れまくった森を税金を投入して整備していきます」ということで、我々木材事業者もうれしいことだと思っておりましたが、実は「温室効果ガス排出削減達成のため」という意味もあります。
CO2を吸ってくれる森を復活させたいのです。
ただし、その譲与金の使い道は間伐や林業従事者の雇用や育成、木材の利用促進や木製品のPRに限られます。
2019年度は約200億の配布で始まり、2022年度ではその額も約500億に増え、各市区町村に配られておりますが、開始当初は何をやっていいか分からず、約半分が使われずにそのままプールされていたりしていたそうですが、一昨年からようやく活用されはじめたようで、その活用率も今は90%を超えているそうです。
そして今年からは「国民のみなさんもご協力願います」となったのです。
一人あたり年間1000円を住民税に上乗せして徴収するということですが、住民税の課税対象者は約6000万人ですから、その収入は約600億となります。
その配分方法ですが、私有人工林面積50%、林業就業者数20%、人口30%として振り分けられます。
ということは、人口の多い大都市に必然と多くの資金が集まり、山間部の過疎地域などは非常に少なくなってしまってしまいます。
そういった地域では、予算が足りず数年分を貯めてから着手しているところもあるようです。
自民党税制調査会で決定しているそうですが、どうも腑に落ちませんよね。
ただ、自治体間での連携もあるようで、千葉県では県の仲介により山武市と浦安市が協定を結び山武市は譲与金提供を受け整備し、浦安市はその分のCO2排出量を相殺してもらえるそうです。
また東京都でも、いくつかの市や区が多摩地域を守るための協定を結んだそうですが、全国的にはこういった協定はまだまだ少ないようです。
国も各地から届いた意見や要望などを踏まえ再考した結果、今年からその配分割合を人工林55%人口25%に修正するそうです。
岸田さん、全国民が納得いくようにお願いいたしますよー。(文:正さん)


第1034話 19.02.2024「20年前のノート発見」

木について学んだことを一冊のノートに書き連ねていた時期があります。
そのノートを久しぶりに見返しました。
最初は一人で学んで、一人でノートに記録していました。
何せ、当時は社内で一番若くて経験も浅かったので、早く先輩方に追いつきたいと思ってひたすら勉強していました…。
座学だけでなく、もちろんOJTでも学びました。
そして、次のステップで社内の先輩方からちゃんと時間を設けて学ぶ機会を作ることにしました。
以前はうちの会社、土曜日も半日出勤していたので、仕事が終わった後の昼に一時間の勉強会をすることにしたのです。
自由参加でしたが、ほぼ全社員が出てくれました。
逆パワハラですね…(汗)。
ノートを見返すと、平成12年(2000年)の1月22日に始めたようです。
机上の勉強もしましたが、実際に木を見ながらの勉強もありましたし、いろんなところに見学に行きました。
製材所やお客さんの工場や展示会や、木材が使われている店舗にも行きました。
ノートの記録によると、平成16年(2004年)の9月2日まで続きました。
私だけでなく、社員一同、その時の学びが今に生きていると思います。
当然今も学び続けていますが、当時ほど熱量が不足していることを反省しています。
今一度、20年前のノートを見返して、気合を入れ直しました。(文:木材バカ四代)


第1033話 13.02.2024「聖地巡礼」

先日大分県日田市に行ってきました。
昨年アニメも完結した「進撃の巨人」の聖地巡礼です。
聖地巡礼とは、映画・漫画・アニメまたは自分の推しの縁ある場所、舞台の場所を聖地として実際に訪問することです。
「進撃の巨人」は世界180ヵ国で出版されシリーズ累計で発行部数1億4千万部を突破するほどの大変な人気で、作品が完結した今でも私のようなファンが作者の諌山創氏の生まれ故郷である大分県日田市に訪問しています。
作品のモデルとなった大山ダムや道の駅にできた「進撃の巨人諌山創ミュージアム」、日田市が街中でスタンプラリーなども行っており、ファンにはたまらない場所なのです。
駅前でレンタカーを借りて日田市の上記のいろいろな施設に行ったのですが、崖や山に囲まれたこの日田市には、日本3大林業地だけに沢山の製材所が見受けられました。
日曜日でしたので訪問できませんでしたが…。
寒暖差が激しい日田市は杉の生育に適した場所で、日田杉という木目が美しい杉があります。
木目が特徴的な日田下駄は有名ですよね。
後で調べたら日田杉資料館という興味ある施設がありました。
要予約の施設でした、行きたかったです…。
駅や日田市民文化会館など日田杉をふんだんに使用した施設もありました。
NHKの番組ブラタモリで大分日田市の回でも紹介されていましたが、日田市はかつて九州の政治経済の中心地でした。
また日田市は水資源が豊富でかなり重要な地点だったので、水資源確保のために江戸幕府は天領といわれる幕府の直轄地として管理してきました。
良質な水「日田天領水」は有名ですね。
良質な水のあるところには必ず良質なお酒も生まれます。
タモリさんといえば当社も以前にあの大人気番組「タモリ倶楽部」で、「合板の聖地」と紹介されました。
誰か当社に「聖地巡礼」してくれないかな(笑)。(文:くりすけ)


第1032話 05.02.2024「古材の魅力」

今月、NHKの『京コトはじめ』という番組で、古い木材・古材をテーマにした回がありました。
昔、物流がいまほど便利ではなかった時代、京都では木材は貴重でした。
そのような中、町家を新築したり、修繕するときに都度あたらしい材木を使用することは難しかったようです。
そのため、京都では古い木材・古材を使う文化が育ったのだとか。
古材を扱う木材屋さんや大工さん、手入れなど手間をかけることを良しとする施主さん。
古材を大事にしていきたいという意識をもった人々が集まり、息のながい活動がいまでも行われていることがわかりました。
番組に登場されていた木材屋さんが、古材の魅力をいくつか挙げておられました。
一つ目は、長い時間をかけて乾燥しているため強度があることです。
しっかりと手入れがされているという前提はあるかと思いますが、経年による乾燥で形状変化が無く強度がでてくるのだとか。
二つ目は、唯一無二の味わいがあることです。
長い年月を経ないと現れない色や質感は、その古材ごとにしか持ちえないものです。
キズや割れも当然ありますが、それもまた魅力的な個性になります。
古材を新しい木で補修することも当然あります。
ただ、それも職人さんたちの長年の技術や創意工夫により、新たな魅力となるようです。
有名なものでは、西本願寺の埋め木でしょうか。
最近では、カフェや飲食店などで見える部分に古材を使うことも多いようです。
お住いの近くにも、おそらくそういったお店があるかもしれません。
ぜひそういったお店を探してみてください。
ちなみに当店でもかつて一時ですが、古材を取り扱っていたことがありました。
宣伝が足りなかったのか、あまりお問合せがなく、現在の取り扱いは辞めております…。(文:ドサンコ)


第1031話 29.01.2024「木糸」

何年前か忘れましたが、木の服についてコラムを書いたことがあります。
その頃の服は木のブロックで作った甲冑のようで、厳つかったのを記憶しています。
弊社社長もブロック状の木でできたネクタイを持っていました。
何度か身に着けていたのを見たことがあります。
時は流れ、現在では木の糸で服ができるまでになりました。
研究開発した方は凄い努力をしたのだろうと感服するとともに、見習はなければと思います。
木糸は間伐材のスギやヒノキで作られていて環境にも優しい糸です。
SDGsの取り組みが進む世の中、注目される製品になること間違いなし。
作り方は、間伐材からロール状の和紙を作り数ミリ幅に裁断し巻き取り撚糸し作ります。
木糸から作られた商品は数多く、服、靴はもちろんノベルティグッズにまでおよびます。
木糸の服、どんな感じか自ら着心地を確かめてみたい。
どこかで見かけたら必ず試着してみます。
いや試着しなくても見かけたら買ってしまうと思いますが…。
いずれ弊社のユニフォームも木糸製になるのは間違いなし?
そう信じています!社長。
私が現役引退する前にお願いしますよ…(文:兄貴6)


第1030話 22.01.2024「木製の…」

昔から「木製」や「木の~」という言葉を見たり聞いたりすると興味が湧きます。
木に携わる仕事をする以前からです。
見た目、香り、感触…なぜか分かりませんが惹かれます。
今、私が使っているカードケースにも木が使われています。
厳密に言うと木と革を組み合わせた製品です。
ローズウッドの突き板を革の表面に貼り付けて縫い合わせているようです。
折り曲げても木は割れる事なく、革に合わせてふにゃっと曲がります。
とあるお店で見つけたのですが、薄くスライスする技術、張り合わせる技術、そしてこのアイデアに、しばらく魅入っていて気が付くとお会計を済ませておりました。
現在2年半程使っています。
未だに割れる事なく無事に使えています。
革も木の部分も使い込んだ事による風合いが出て良い感じになっています。
他にも同じように作られたバッグやコースターなどがたくさんありました。
また、世の中にはスギやヒノキの間伐材を原料にした服までが販売されているようです。
もちろん洗っても大丈夫だそうです。
すごいというか面白い。
チクチクしないのか、木の香りはするのか、とにかく着てみたい。
もし着る機会があればまたご報告したいと思います。
木の可能性にはワクワクします。(文:2号目)

第1029話 15.01.2024「ジップライン De GO!」

2024年あけましておめでとうございます!
今年も元気いっぱいよろしくお願い致します。
昨年皆様は良い年だったでしょうか?
私は毎年11月に静岡県・伊豆方面に旅行に行くのですが、毎年のこととなると「だいたい行き尽くした感」がありますよね。
そこで、今回見つけたのが三島スカイウォーク!
全長400mの日本一長い歩行者専用吊橋です。
吊橋の上から広がるのは日本一高い富士山と日本一深い駿河湾を同時に楽しめる大パノラマ。
訪れた日は11月にもかかわらず暑い位の陽気で、絶好の行楽日和。
富士山を含め絶景を堪能しました。
…と、ここまでは普通の観光だったのですが、ここには往復560mのロングジップスライドがあります。
世界遺産の富士山に向かって一気に滑り降りるアクティビティ。
大空に羽ばたく鳥になった気分で風を感じたい!とノリノリの私。
しかし一緒に行った夫は、こういうアクティビティが大嫌い。
事前申込制なので、旅行前日「俺は見ているだけでいいから、どうしてもやりたいなら一人でやってきな」と言われ、まあ、こういうたぐいのアクティビティに一度も付き合ってくれたことがないので半ばあきらめていましたが、二人でやった方が楽しいじゃない?!と、しつこく説得。
「じゃあジップラインだけね」と渋々オッケーしてくれました。
…ですが、ここには森のアドベンチャーというアスレチックがあるのを発見!
大規模な開発をせず“森をそのまま活用”し、環境への負荷を最低限に抑えたフランス発祥の「自然共生型アウトドアパーク」で、専用のハーネスを着用して樹と樹を渡り、自然と共存した冒険気分を存分に味わえる本格アクティビティです。
材木屋に勤めていながら、事務員という立場で普段全然木とふれ合っていないじゃん、ワタシ?!と変な使命感が沸き、この際だから木とふれあおう!と自分の重たい体を考えず、そしてこっそり夫の分も申込み…(笑)。
ジップラインを降りる場所にウッドチップが大量に撒いてあるのですが、そこに思いっきり突っ込んで、全身ウッドチップまみれになりながら、自分のドン臭さも忘れ、爆笑の連続。
命懸けで森とのふれあいを楽しみました~(^^)v。
東京に帰って来てしばらく経ったある日、旅行に履いて行ったスニーカーの中からウッドチップが出てきた時は、もう笑うしかなかったです。
いい年してよーやるわ!と笑って下さい。
でも今年も何か見つけてチャレンジしますよ!(文:まるこんぶ)
 

第1028話 05.01.2024「すごい新聞広告」

少し前の全国紙の新聞一面に、とある企業の広告が掲載されていました。
それは写真にある「みはし株式会社」という建築用装飾材の専門メーカーの広告です。
私はすごいなあと感心してしまいました。
木材の業界ではなじみのある会社ですが、一般の方はどのくらい気に留めるのでしょうか?
一面の広告にかかる掲載料金はいくらくらいなのでしょう?
その対価に見合うということで掲載したのでしょうか、判断がすごいと思いました。
弊社ではよくサンメントという商品を取り扱います。
主に店舗の内装を手掛けているお客様が使用されているのですが、仕上りはとても高級で豪華な雰囲気になります。
サンメントという商品で思い出されるのは、現場で大量に使用されて宮殿のような豪華な仕上がりの現場があったなぁという思い出です。
ちなみによく使用されるのはアユースという樹種。
アユースは熱帯のアフリカに分布する樹高が40メートルにも達するアフリカ最大級の樹種です。
辺材と芯材の色調差はほとんどなく、きれいなクリーム色の軽くて柔らかい木です。
ただ、加工する際の粉塵でアレルギーを引き起こすことがあるので注意が必要です。
弊社でもこのような広告を新聞に掲載することができれば認知度が増して成長につながるのかなぁなんて思った出来事です。
でも、経費に見合うのかは不透明な話ですね。(文:ゴン)